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アメリカのデモに思うこと

懸賞 2006年 05月 07日 懸賞

今、米議会で審議中の不法移民規制強化法案に抗議するデモが全米各地に広がっているようです。特にヒスパニック系の多いLAでは大きなデモとストライキが行われているとのこと。
でも、LAに住んでいた私としては「政府は今更何やっているの?」と思わざるを得ません。

実際にLAに住んでいて強く感じるのは、「アメリカ経済はヒスパニック系の人々のお陰で成り立っている」ということです。洗車サービス、水道工事や道路工事、アパートの清掃、ごみ収集、芝刈り、スーパーのレジ係、ペンキ屋、ベビーシッターなどなど、いわるゆ3Kの仕事はヒスパニックの人々が安い賃金で請け負っているのです。アメリカの経済力に魅せられて集まったヒスパニック(多くはメキシコ人)の人々の人口は、LAの人口の3分の1以上になっているのではないでしょうか。新生児の半数以上はヒスパニック系だというデータもあるようですし、今のロサンゼルス市長はメキシコ出身者です。ヒスパニックの人々は既にアメリカで事実上の市民権を得てしまっているのですから、今回の法案に彼らが抗議の意を表すのは当然のことでしょう。

一方、アメリカ側の困惑も理解できます。
ロクに英語も話せない子供が学校に入ってくるので、公立の学校の学力レベルがなかなか上がらない、という問題があります。学力レベルを維持するために、英語の補習授業を行いますが、そのためには税金が投入されます。
また、このままメキシコ人が増えれば人口の半数以上がメキシコ人になってしまい、それはそのまま選挙結果に跳ね返ってきます。ひょっとするとアメリカの政治もメキシコ人に牛耳られてしまうかも知れず、公用語がスペイン語になってしまうかも知れない、なとどいうジョークもジョークでなくなってしまうかもしれません。

ヒスパニック系の人々の半数以上が不法移民だという事実は私も知りませんでしたが、問題が大きくなってしまった背景には、不法行為を知りながらそれを放置し、安い労働力を長年利用し続けてきたアメリカ企業と政府にも大きな責任があるのではないでしょうか。
早く事態が軟着陸してくれるよう祈るばかりです。

by takekuraemi | 2006-05-07 10:11 | Los Angeles 生活

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